フルタニ株式会社の古谷様からお話を伺いました。

フルタニ株式会社
古谷 幸一 様            古谷 友彬 様

Q:SDGsを自分事化するためにどんな取り組みをされましたか?

外部からSDGsファシリテーターを招き、カードゲームを使ったワークショップを実施しました。
このカードゲームによって「なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか」、「それがあることによってどんな変化や可能性があるのか」を体験的に理解できました。
何かを達成しようとすると何かを譲らないといけない。経済活動と環境活動のバランスをとるのが非常に難しいと、ゲームを通してよく分かるので、これからSDGsを推進していこうと考えている方におすすめです。
社内でのSDGsの取り組み方やどのように社員に広めていくかを考えるきっかけができました。

社内にSDGs推進チームを創設し、管理職などでSDGsについて学習の機会を持つところからスタート


Q:SDGsを推進する上で意識していることを教えてください。

重要視したのは、形式的な取り組みで終わらせるのではなく、企業価値を高めるためのものにすることでした。
当社は金型の設計から製作、さらにはその金型から射出成形した製品で自動車部品やスポーツ用品の製造に携わっています。
射出成形工程では製品とは別に余剰部分、いわゆるスプルーランナーがどうしても発生しますが、製品によってはこれを粉砕して再利用することが認められています。約300品目を製造していますが、この再生可能材料を使った製品の売上割合を高めていくことは当社のゴールのひとつと位置付けています。
企業として、再生可能材料を使える製品の受注にこだわりすぎると、場合によってはビジネスチャンスを失う可能性があるかもしれません。しかし同時に、外部に対してSDGsに企業として取り組むというアピールにもなり、同じ意識を持つ企業さんからの取引が生まれることに繋がります。
使う資源の効率を上げ、環境悪化や汚染につながらない生産と消費を行う。この結果として、最終的に得られる繁栄や恩恵を増やす。このサイクルがこれから社会に「良い循環」をもたらすと思います。

SDGsと同時に進める社内DX化。製造や検品部門では各自手元にタブレットを常備。
設計室から送られる図面や納品物などのチェックもペーパーレスでスムーズに。


Q:これから力を入れていくことや展望を教えてください。

SDGs推進の柱としている人材の育成です。
14年ほど前から、海外からの技能実習生として男女問わず若者を受け入れており、中国、タイ、ベトナムの実習生が日本の社員といっしょに技能を磨いてきて、今年はWEB採用会の結果、ウズベキスタンの若者4人が来てくれることになりました。彼らが技能習得後、タイにある自社工場で働いたりもっと大きな会社へ羽ばたいていくと寂しいのと嬉しいのと様々な気持ちになります。
また、国家資格をより取得しやすい体制をつくっていきます。
日本では、社会人になってからも学び続けられる機会や環境を会社が整えることを求められると思います。会社の仕事を通して各自のスキルマップをより意味のあるものにしていきたいです。
当社は来年創業100周年を迎えます。目指すSDGsへの道のりは始まったばかりですので、今後もファシリテーターと考察を重ねて、社員みんなで取り組んでいきます。

事業と人材を生かし、社会における企業価値を高める


フルタニ株式会社
所在地   廿日市市宮内工業団地1-8
電話番号  0829-20-2234
WEBサイト http://www.mold-furutani.co.jp/